ビール工場見学のまとめその2
前回の続きです。
さて、知識をたっぷり得たあとはいよいよ試飲。
…なんだけど。
なにしろブロガーがいっぱい参加した企画で、すでにいろんな優れた報告いっぱいがあがっているので、そっちをお読みいただいたほうがよいかと。なんか遅くなっちゃったし。すみません。
と言うわけで以下は雑感です。
・とにかく、スモーキーバブルスがきちんと生成されているようにきちんと注がれたプレミアム・モルツは、もう、めちゃくちゃうまいです。これはもう本当にうまい。プロがビアサーバーを駆使しないとなかなかうまく行かないのでありますが。
・ビールはきわめてデリケートな商品であり、しかも大量生産されている。なので、原材料の調達から製品の配送まで、細心の注意で完璧にコントロールされている。これがすごい。とんでもない本数のビールが同じ味なんだよ?すごいことでしょこれは。
・でもそのコントロールは出荷の時点までのこと。
ご家庭でそんなに細心の注意や完璧なコントロールをするのは難しい。そもそも知識がない。
そういう意味で、このような工場見学でその生産工程、開発の背景に触れてもらい、完璧に作られたビールを、どうしたらその味を損なわずに楽しむことができるのか、学んでもらえれば確かに商品価値が上がる。
・要は、缶ビールは適度に冷やして、グラスに空けて、ちゃんと泡で蓋して、泡の下から飲めってことですよ。
・集まったブロガー各位の好奇心旺盛さにはほんとにノックアウトされるほどだった。一つ一つの説明に対して、まるで餌に群がる池の鯉ですよ。もう口パクパク。(いったことないけど)秋葉原のアイドルイベント並みのデジカメの列。いや、自分もその一人でしたけどね。はい。
注ぎ方ひとつで全く味が変わるビールのデリケートさと正しい楽しみ方について、参加者のブログを通じてもっと多くの人に伝わるといいなあ。
・今回の見学とは関係ないけど、瓶ビールのお酌と言う制度も廃止して欲しいんですけど。日本酒だったら嬉しいもんですが、ビール継ぎ足しってのは明らかに味落ちるのよ。
・ただ、今回の見学コースはあくまでピルスナータイプのビールを製造するサントリー武蔵野工場のコースであって、ビールの製法は他にもいろいろある。ご興味ある向きはいろいろ調べてみると面白いかも。
・プレミアムモルツは確かに美味しい。こんなにアロマホップの香りがしっかり伝わってくるビールはなかったと思う。とてもゴージャスだ。二年連続モンドセレクション金賞もむべなるかな。
だけど後味の中に天然水の「水の味」が爽やかに楽しめるノーマルな「新モルツ」もうまいと思う。この「水の味」は今回の新バージョンになってより強調された気がする。
・プレミアム・モルツは、そのアロマの香りを楽しむために。できればプロが注いだのを飲みたい。でも御中元でもらったら嬉しい。
まあ、なにはともあれ、林家ぺーになったブロガー36人終結のこのイベントに、僕はメーカーと消費者の新しいコミュニケーションの可能性を見ました。
こういう「見学」というアプローチは、昔からメーカーは重視してきたし、また、たとえば生協などでもずっと力を入れてやってきたことなんだけど、「ブロガー」と言う新しい人種の登場によって、その意味合いは全く変わってくるのではないだろうか。多くの優れた企業ブログに見られるように、ブログの力は現場発のコミュニケーションによる「現場力」であり、メーカーの「現場力」を体感できるのが「見学」だからだ。ブロガーは自分が体感した現場の魅力を自分のブログを通じて世に広めていくだろう。
大切なことは、企業・消費者の相互信頼により成立するコミュニケーションであり、ここにはまだ可能性がいっぱいある。面倒なことも多いけど一つ一つ解決していけばいい。和田さんは「企業・消費者の相互信頼に基づく新しいコミュニケーション」分野における先駆者なんだ。たぶん。
これから、世の中はもっと面白くなりますよ。
和田さん、サントリーの皆さん、本当に有難うございました。